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ねぎとろ丼

ねぎとろ丼

「暗闇」「睡眠」「トルテ」でハッピーエンド

daomonは「暗闇」「睡眠」「トルテ」に関わる、「ハッピーエンド」のSSを10ツイート以内で書きなさい。
というものを『縛りSSったー』 http://shindanmaker.com/15896 で言われたのでそのテーマで東方SSを。

 十六夜咲夜は自室のベッドに拘束している魂魄妖夢を叩き起こした。
「こんばんわ妖夢ちゃん、お菓子食べる?」
 咲夜は作ったばかりのトルテを妖夢の口に押し込んでいく。
「むぐぐ!」
 嫌々ながらもそれを食べてしまう妖夢。
 妖夢はかれこれ十時間以上何も食べていなかったのだ。

 仕方なくお腹を膨らませるためにそれを咀嚼する。
 いざ飲みこもうと思ったとき、異物が混ぜられていることに気付いた。
「げほっ、げほっ!」
「どうしたの妖夢ちゃん、お腹空いてないの?」
 咲夜の作ったトルテの中には髪の毛らしきものが入っていた。
 いや、それは確かに髪の毛なのである。

「こんなもの食べられない! ちゃんとしたご飯が欲しい!」
「何を言っているの? 私の愛が詰った美味しいお菓子を用意してあげたのよ。これで十分でしょう?」
 咲夜はもう一度それを妖夢の口に押し込んだ。
「飢え死にしたくなければこれを食べなさい」
 妖夢は苦しそうにそれを飲み込もうとする。

「うげぇっ!」
 しかし髪の毛という異物が混じっているとわかっていると、飲み下すのも抵抗がある。
 努力しようとしても、気持ち悪い相手の毛髪となると無意識に体が拒否する。
「妖夢ちゃんどうして食べてくれないの? 私のことが嫌いなの?」
「……そ、そうに決まってるじゃない!」

「じゃあ仕方ないわね」
 咲夜は部屋の照明を消した。窓には分厚いカーテンを。
 この密室空間に暗闇が広がった。
「な、何をするつもりなの」
 妖夢は困惑している様だった。
 咲夜は彼女の質問に答えないまま、妖夢の口に指をつっこんだ。
「んっ、んぐっ!」
「妖夢ちゃんの乳歯可愛いわね」

 咲夜は妖夢の口内を指で犯し始めた。
 妖夢はその行為に反逆しようと口を閉じようとするも、顎の筋肉が疲れているらしく、閉じる力は弱かった。
 というのも、ロクに休憩や睡眠を与えてもらえずにこうやって体を弄られて疲弊しているからだ。
「妖夢ちゃんの唾液で私の指がグチョグチョですわ」

 小一時間妖夢の口内を指でなぞったりした咲夜はようやく満足したらしく、指を抜いた。
「もう……もう許して……」
 妖夢はすっかりしおらしくなってしまった。強気の姿勢が崩れ始めたのだ。
「妖夢ちゃん、私のトルテ食べてくれたら寝てもいいわよ」
「ほ、本当?」
「ええ、本当」

 咲夜の言葉を信用した妖夢は決心し、疲れきった顎を開く。
 咲夜は嬉しそうにお手製のお菓子を彼女の口へ運ぶ。
 暗いせいで妖夢にはそれがトルテかどうか確認できなかった。
 そしていざ運ばれたものが口に入ると、それが咲夜の毛髪が混じったトルテではないことにき気付く。

 そう、咲夜の髪の毛そのものなのだ。
 だがこれを死ぬ気で飲み込まないといけないと悟った妖夢は必死で飲み込んだ。
 何度も吐き気に襲われるが、必死に口を閉じて飲み込もうとする。
 やがて飲み下しきった妖夢は安堵の表情を浮かべて全身の力を抜いてリラックスした。
 これで全て終わった気で居たのだ。

 だが咲夜の提示した条件はあくまで「睡眠を約束した」に過ぎないのだった。
 そうと知らずに妖夢は疲れきったために、何の疑問を持たずに寝入ってしまった。
 彼女が咲夜から開放されるにはもう少し時間がかかりそうである。
 咲夜は彼女が起きる前に、新しいトルテを作ろうとキッチンへ向かった。

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 あとがき

 これは咲夜にとってのハッピーエンドのお話。

 改行で区切っているところがツイートごとの途切れです。


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